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カナダの森深く眠る「日系人ゴーストタウン」─そこには「日本の暮らし」があった(クーリエ・ジャポン) - Yahoo!ニュース

なぜカナダの森の奥深くで「メイド・イン・ジャパン」の茶碗や酒瓶が発掘されたのか。そうした遺物が雄弁に語るのは、日系カナダ人集落の「日本的な暮らし」と、その生活を奪われた悲しい戦争の歴史だった。世界各地の知られざる情報を掘り出すメディア「アトラス・オブスキュラ」が紹介する。

森のなかで20年以上も暮らしていた?

最初は、たいしたことなさそうに見えた。カナダのブリティッシュ・コロンビア(BC)州シーモアバレーの深い森へ分け入っていくこと1時間、湿った落ち葉やかびくさい切り株のあいだに、錆びた缶が散らばった空き地──。

2004年のことだった。キャピラノ大学で考古学を教えるボブ・マッケル教授は、学生が発掘を学べる場所を探していた。

地元住民がここで発見したという家庭用品について保護区職員から聞いたとき、マッケルは1900年代初頭の伐採キャンプ跡地のことだと思った──一帯で林業に従事する男性たちが仮住まいにしていた、小さな集落のひとつだろうと。

だがマッケルのチームが発掘を始めると、予想外の物が出てきた。繊細だがほぼ損傷のない状態の青と白の陶器茶碗は、底面に「メイドインジャパン」と彫ってある。さらに酒瓶や陶器なども発掘された。

集落に住んでいたのは、短期滞在の伐採労働者ではなく、女性や子供を含む50~60人の日系カナダ人の集団で、しかもそこに20年以上いたと考えられるのだ。

伝統的な日本式の生活を送っていた?

その集団は、「林業王」と呼ばれた日系カナダ人、花月栄吉の従業員たちとみられている。その期間について決定的な証拠は出ていないが、マッケルの見立てによれば、彼らは1920年代から1942年まで、一帯を伐採し尽くし、20年代半ばにほかのキャンプが閉鎖したあとも、そこに長いあいだ住んでいた。

バンクーバーからバスで1時間、さらに森のなかを1時間歩いた奥まった場所に、住人たちは小さな自給自足の集落を作ったのだ。日系カナダ人への差別意識が高まるなか、人里離れたこの場所が住人たちに安心感を与えていたのかもしれないとマッケルは言う。

「ここでは自分たちだけの生活ができたのかもしれませんね、誰にも邪魔されず」

マッケルのチームはその後も発掘作業を続けてきた。見つかった生活用品からは、この共同体が深い森のなかでも、伝統的な文化や食事を維持していたことがよくわかる。
バンクーバーの日本人街まで歩いて買ってきたと思われる繊細な汁椀や茶碗。つまり、彼らはおそらく箸を使い、日本の伝統的な食事をしていたのだろう。

残飯を肥料にしたらしき窒素の豊かな土壌の一角も発見されているので、かつては大根やフキのような日本の野菜がいっぱいできていたのかもしれない。

さらに貴重なのは、日本式の浴場や神社の名残だ。北米大陸では例を見ない、伝統的な集落の生活を再現しようとしていたと考えられる。

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December 18, 2019 at 09:30AM
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