台風１９号、静岡か関東上陸へ＝７都県に大雨特別警報－１人死亡、１０人重軽傷 - 時事通信ニュース

2019年10月12日18時20分

　大型で非常に強い台風１９号は１２日午後、東海沖を北上し、夕方から夜に静岡県か関東に上陸する見通しとなった。東海と関東では暴風や大雨に見舞われ、記録的雨量となる所が続出。気象庁は土砂災害や河川の氾濫、低地の浸水に厳重に警戒し、安全を確保するよう呼び掛けた。

〔写真特集〕２０１９年台風・大雨

　気象庁は同日午後３時半、群馬、埼玉、東京、神奈川、山梨、長野、静岡の７都県に大雨特別警報を出した。この７都県に同警報が出るのは初めて。
　気象庁の梶原靖司予報課長は記者会見し、「避難勧告などに直ちに従い、緊急に避難してください」と呼び掛けた。

大雨特別警報について記者会見する気象庁の梶原靖司予報課長＝１２日午後、東京・大手町

　７都県の発表対象市町村は、東京が多摩地方の八王子市や町田市など、埼玉が本庄市や秩父市など、神奈川が相模原市や小田原市など、静岡が熱海市や伊豆市など。
　１９号は上陸後、１３日未明にかけて関東を縦断し、東北沖へ抜ける見込み。東・西日本の太平洋側は猛烈なしけとなっており、沿岸部は高波や高潮による浸水に警戒が必要。
　１２日午後５時までの２４時間雨量は神奈川県箱根町７７６．５ミリ、静岡県伊豆市・湯ケ島６８８．０ミリと、いずれも観測史上最多記録となった。

　千葉県市原市では突風でトラックが横転し、乗っていた男性が死亡。総務省消防庁の１２日正午のまとめによると、神奈川県で重傷１人、千葉、山梨、静岡、山口、徳島各県で軽傷が計９人となった。
　１９号は１２日午後４時、静岡県下田市の南西約９０キロの海上を時速３５キロで北北東へ進んだ。中心気圧は９４５ヘクトパスカル、最大風速４５メートル、最大瞬間風速６０メートル。南東側３３０キロ以内と北西側２６０キロ以内が風速２５メートル以上の暴風域、東側６５０キロ以内と西側５６０キロ以内が風速１５メートル以上の強風域。
　１３日午後６時までの２４時間予想雨量は多い所で北陸４００ミリ、東北３００ミリ、関東甲信２５０ミリ、伊豆諸島２００ミリ、東海１５０ミリ、中国１２０ミリ、北海道と近畿１００ミリ。