中華料理などに使われる香辛料、八角を植えてミャンマーを貧困から救おう-。国際社会で活躍する人材育成に力を入れる高校を対象に、文部科学省が全国で指定する「スーパーグローバルハイスクール(SGH)」。指定期間5年間の最終年度を迎えた啓明学院高校(神戸市須磨区)で、社会問題をビジネスで解決しようという「啓明ビジネスプランコンテスト」が開かれ、ユニークなアイデアが最優秀賞に選ばれた。(鈴木久仁子)
コンテストはSGHプログラムの一環で、同校独自の取り組み。社会が抱える課題を生徒全員が自ら見つけ、税金やボランティアなどに頼ることなく、民間のビジネス手法で解決策を考えるのが特色だ。生徒は個人か3人以内のグループで、地道な文献研究や現地調査、専門家らへの聞き取りなどを展開。深い教養やコミュニケーション力、解決力が試されるプラン作りに時間をかけて挑んだ。
コンテスト当日は、各学年から1組ずつ、選び抜かれたビジネスプランを全校生徒を前に発表し、NPO法人のスタッフや企業家らも加わって審査した。最優秀賞に選ばれたのは、2年生のプラン「八角で脱出!ミャンマーの貧困」。国内外で人道医療支援活動に携わる医師と連携した。
八角は香辛料だが、その成分がインフルエンザの治療薬、タミフルの原料にもなる。この医師は長年の紛争で荒廃し、人々が貧しい暮らしを余儀なくされるミャンマーに雇用と平和をもたらすため、八角栽培事業を展開。同校にも訪れ、八角栽培で平和を構築しようとする経緯やミャンマーの現状について講演した。
関心を持った生徒は「スタディーツアー」として一昨年夏、現地に飛んだ。実際に八角を栽培している畑を見学し、社会状況も目の当たりにした。それらを基に考え出したのが、このプランだ。
目を付けたのは、タミフルの成分を抽出した後に残る八角オイルの使い道。貧困にあえぐ女性たちの雇用を生み出すため、オイルにカセイソーダと精製水を混ぜ、せっけんを作ることを発案した。収入が安定すれば、経済的な向上につながり、子どもの教育費も捻出できる。ただ、ビジネスとしてどう成り立たせるのか。合宿も行い、専門家の助言を受けてプランを練り上げた。
その結果、発表したのは1個898円という価格で売るプラン。手作りで安心、安全を強調し、高級感のある包装で大手のホテルや企業のイメージアップに使ってもらう。ミャンマーで庶民の平均月収が1万円ほどともいわれる中、月に576個が売れれば、週3回の労働で生産者1人当たり月6千円ほどの収入が見込めそうだという。審査委員からは「898円は高いのでは」「大手企業が乗り出してきたら、どうするのか」などの質問が出た。
発表した谷川えれなさん(17)と古瀬和音(かずね)さん(17)は実際にミャンマーを訪れ、「学校にも行かず、小さな子どもたちが物売りをして働いているのに衝撃を受けた」と振り返る。「自分たちが当たり前だと思っていたことが、実は当たり前ではないのでは」との思いが原動力になったといい、「どう売り込めば、社会や企業が関心を持ち、収入に結び付くのかを考えるのに苦労した」と話した。
同校では、SGHの指定終了後も「社会の課題に関心を持ち、解決していく精神を育てていきたい」としている。
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January 19, 2020 at 08:42AM
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