米Facebookのマーク・ザッカーバーグCEOは5月29日(現地時間)、米Twitterが非表示にしたのと同じドナルド・トランプ米大統領のFacebookとInstagramへの投稿を非表示にしない理由について、自身のFacebook投稿で説明した。
トランプ氏の投稿は、25日に黒人男性ジョージ・フロイド氏が白人警官に殺されたことに対する抗議デモが暴徒化したことについて、暴徒化した人々を「THUGS(悪党、ちんぴら)」と呼び、「when the looting starts, the shooting starts(略奪が始まれば発砲が始まる)」と軍による武力行使を予告するものだ。英BBCによると、このフレーズは1967年にマイアミ市警本部長が公民権運動のデモに参加したアフリカ系米国人に対して脅しとして使ったものと同じという。68年には、マイアミ市警は抗議行動に参加した3人を殺害し、200人以上を逮捕した。
ザッカーバーグ氏は「個人的には(トランプ氏の投稿の)対立を強めるような扇動的な文章には否定的な感情を持つが、「自由な表現に取り組む組織のリーダーとして対応する責任がある。多くの人々が大統領の投稿を表示したままでいることに気分を害していることは理解しているが、ポリシーに明記されている特定のリスクを引き起こさない限り、可能な限りの表現を可能にすべきという立場だ。(中略)投稿には問題のある歴史的参照はあるが、(中略)政府が武力配備を計画していることを人々が知る必要があると判断し、投稿を残すことにした」と説明した。
また、「Twitterとは異なり、Facebookには暴力を扇動する可能性のある投稿に警告を表示するポリシーはない」と語った。
Facebookのポリシーの14項「暴力や過激な描写を含むコンテンツ」には、「Facebookでは特に過激な描写や暴力行為を含むコンテンツに警告のラベルを追加しています。」と明記されている。
また、ザッカーバーグ氏は昨年10月の米下院公聴会で、「政治家を含む誰かが暴力や身体的危害を引き起こすような投稿をしたら、われわれはその投稿を削除する」とはっきり証言している。
米Axiosによると、トランプ氏は29日にザッカーバーグ氏に電話し、“生産的な会話”をしたという。ザッカーバーグ氏は投稿で「本日、ホワイトハウスと連絡を取り、われわれの方針について説明した」としている。
トランプ氏は同日、Facebookに「Facebookのマーク・ザッカーバーグCEOは今日、Twitterを批判した」と投稿した。
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