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まるで吉本新悲劇だ 「闇営業」問題…芸人の思い受け止めず - 西日本新聞

放送作家・海老原靖芳さん聞き書き連載(33)

 連日いろいろもめていますね、吉本興業。所属芸人が反社会勢力の宴席で「闇営業」をしていた問題、ふがいない経営者の対応…。吉本新喜劇の台本を書き、吉本興業と30年以上仕事をした私の感想を述べさせてください。謎の脚本家見習い「ミタニ」の正体は次回、明らかにしますね。

 22日の社長記者会見、皆さんはどう思いましたか。「おまえらテープ回してへんやろうな」「クビ」と社長から恫喝(どうかつ)されたと宮迫博之と田村亮が告発したのに対し、社長は「冗談。場を和ませるため」と釈明しましたが、そうは受け止められないでしょう。お笑いをやっている人間は空気を読む感性が抜群です。2人は違う受け止めだったはずです。

 2人が「反社会勢力からギャラをもらわなかった」とうそを言ったのはいけませんが、その後の記者会見で真実を話しました。二転三転しましたが、2人の思いを経営者がしっかり受け止めなかったことが、ここまでひどい状況を生んだのです。会見で芸人を号泣させてはまずいでしょう。

 もし木村さんが経営者なら、こうはなっていなかった。木村政雄さん。吉本興業の元常務で、伝説の漫才コンビ「やすしきよし」の元マネジャーです。吉本の東京進出を成功させ、不振だった新喜劇の復活に携わった方で、情と理を備えた人です。

 今回のように芸人が真実を吐き出したら、木村さんは率先して世間にわびたはずです。問題の本質を見る目があった。将来の社長と目された木村さんは、創業家ともめたとかで退任されました。その後も竹中功さんら切れ者の幹部が抜けたのが、逆境に対応できなくなった吉本興業の情けなさです。

 現経営者はうやむやにしようと考えたのでしょう。もちろん2人の社会的な罪は許されるべきではありませんが、芸人に対して愛情がない。一体誰のおかげでメシを食っているのか。芸人あってのものです。

 社長が自ら科した50%減俸も残念。私がブレーンだったら社長にこう言わせます。「10年やって最も売れていない芸人のマネジャーになります」と。そうやって出直しを宣言すれば「社長はそこまでの覚悟があるのか」と、世間のいくらかは納得したかもしれません。

 一連の対応は、お笑いをなりわいとする会社の姿とは思えません。吉本流のしゃれもなくドタバタ。皮肉にも、そこが一番笑えるかもしれませんが…。

(聞き手は西日本新聞・山上武雄)

………………

 海老原靖芳(えびはら・やすよし) 1953年1月生まれ。「ドリフ大爆笑」や「風雲たけし城」「コメディーお江戸でござる」など人気お笑いテレビ番組のコント台本を書いてきた放送作家。現在は故郷の長崎県佐世保市に戻り、子どもたちに落語を教える。

※記事・写真は2019年07月25日時点のものです

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