来年1月実施の大学入学共通テストに絡み、国語の問題を作成する分科会の複数の委員が昨年8月、導入予定だった記述式に関する例題集を民間の出版社から発行し、その後、利益相反などの疑念を指摘されて委員を辞任していたことが16日、関係者への取材で分かった。辞任した委員には国語の作問責任者も含まれ、共通テストへの影響が懸念される。
問題となったのは、東京の大手教科書会社から昨年8月発行された共通テスト・国語記述式対策の市販本(定価2200円)で、教師や受験生向けに10の問題例と解答、解説、正答条件を掲載。記述式問題をめぐっては、正答条件が複雑なため自己採点が難しいとの批判があったが、そうした不備を補うような内容だ。
関係者によると、この例題集の執筆陣に、共通テストを運営する大学入試センターが設置した「国語問題作成分科会」の分科会長と委員数人が含まれていた。分科会長は、来年の共通テストの国語問題作成における統括役だったという。
センターによると、共通テストの作問担当者は、大学入試の作問経験がある大学教授や准教授らから選ばれ、作問に関与した事実は当該試験の実施年度内は口外しないこと、職務上知り得た秘密は生涯、守秘することが規則に定められる。
例題集では、分科会長らは自分たちが作問に関わっていることには触れていないが、現役の作問担当者が民間の出版社を通じて関連本を出すこと自体が「疑念を持たれる行為」と分科会の中などで問題視され、辞任を申し出たという。
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February 16, 2020 at 07:03PM
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入学共通テスト、問題作成委員らが例題集を出版 「疑念持たれる」と指摘受け複数辞任 - 産経ニュース
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