カナダの最高裁判所は19日、ロシア人スパイの息子でトロント生まれの男性について、カナダの市民権の資格があるとの判断を下した。
カナダ市民権が認められたのは、トロント生まれのアレクサンダー・ヴァヴィロフ氏。両親が名前や身分を偽りカナダに「潜入」したロシアのスパイだと判明したことから、市民権を剥奪されていた。
今回の判決を受け、アレクサンダー氏は市民権を取り戻し、カナダへ帰国することができる。
両親がロシアのスパイと知らず
アレクサンダー氏は1994年6月3日、母トレイシー・リー・アン・フォーリー氏と父ドナルド・ハワード・ヒースフィールド氏の次男として誕生した。兄ティモシー氏も1990年にトロントで生まれた。
両親の本当の名前はエレーナ・ヴァヴィロフ氏とアンドレイ・ベズルコフ氏で、2人は諜報活動を行っていた。
アレクサンダー氏が2歳の頃、家族はフランスに移住。その後アメリカへと移住したことで、米捜査当局の監視対象となった。
2010年、アレクサンダー氏が16歳の時に、両親は米連邦捜査局(FBI)の一斉検挙で、有名なロシア人スパイのアンナ・チャップマン氏ら8人と共に逮捕された。この時まで、兄弟は両親の正体を知らなかったという。
アレクサンダー氏は2018年の米CBCニュースのインタビューで、この時の経験を「トラウマになった」、「何が起きているのか全く分からなかった」と振り返った。
スパイ交換
2010年のアメリカとロシアによる「スパイ交換」では、アレクサンダー氏の両親ら、FBIが拘束していたロシア側スパイ10人がロシアへ送還された。その引き換えに、ロシアで拘束されていたスパイ4人が米国側へ引き渡された。
4人の中には、ロシアのスパイに関する情報を英軍事情報活動第6部(MI6)に渡していたとして、2006年にロシアで禁錮13年の実刑判決を受けたロシア人のセルゲイ・スクリパリ氏も含まれていた。
スクリパリ氏と娘のユリア氏は2018年3月、英南部ソールズベリーで、有毒の神経剤「ノビチョク」による毒殺未遂に遭った。英当局は、ロシア政府による報復措置だとみている。親子は助かったが、この事件でイギリス人1人が死亡した。
外交官らの子供は対象外
両親のロシア送還の直前、アレクサンダー氏と兄は、もともと計画していたヨーロッパ旅行に出発していた。観光ビザでのロシア訪問も予定していた。
アレクサンダー氏は、在モスクワ・カナダ大使館で自分のカナダのパスポートを更新しようとした際に、市民権が剥奪されたことを知らされた。
市民権剥奪の理由は、「カナダ国内の外国政府機関の外交官や領事、職員など」の子供は、カナダ領土内で生まれていたとしても市民権付与の対象外というものだった。
連邦裁判所は、アレクサンダー氏が求めた司法審査を却下したが、控訴裁判所はカナダ市民権を認める判断を下した。
これに対し、カナダの移民・難民・市民権省は、同氏には市民権の資格はないと主張。最高裁までもつれ込んだ。
最高裁は、他国の外交官の子供の市民権取得を禁止する法律は、外交特権が認められていない両親の子供には適用されないと結論付けた。
この兄弟の場合、両親がロシア人スパイという身元が隠されていたため、カナダ政府から外交上の地位を付与されたことはなかったとしている。
(英語記事 Son of Russian spies to keep Canadian citizenship)
"カナダ" - Google ニュース
December 20, 2019 at 02:53PM
https://ift.tt/2SdbNOa
ロシア人スパイの息子に市民権認める カナダ最高裁 - BBCニュース
"カナダ" - Google ニュース
https://ift.tt/364DkVV
Shoes Man Tutorial
Pos News Update
Meme Update
Korean Entertainment News
Japan News Update
Bagikan Berita Ini
0 Response to "ロシア人スパイの息子に市民権認める カナダ最高裁 - BBCニュース"
Post a Comment