西武山川穂高内野手(30)が“隠れ3冠王”に躍り出た。本塁打キング独走となる13号2ラン、14号3ランの2打席連発を含む4打数3安打5打点と大暴れ。打点は31となり、楽天浅村の27を抜き去りトップに浮上した。
2冠だけでなく、打率も規定打席未到達ながら、3割7分2厘に上昇。首位打者日本ハム松本剛の3割5分2厘を上回った。今季は右太もも裏肉離れで14試合欠場した中で、異次元の成績を残している。
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山川が打席に入ると、球場が狭くなったようにさえ感じる。アーチは、ともに会心とは違った。ただ白球はフェンスを越えた。
2発。初回2死一塁では13号先制2ラン。さらに3回1死一、三塁は14号3ランを放った。いずれも初球。キング独走で2位と8本差に広げた。「タイミングが合い、しっかり振り切ることができ、上がれば本塁打になる」。いい場面で重ねているからこそ今季、山川が1発を放った試合でチームは無傷。“勝利確定”の演出を2度起こし、不敗神話も「11」に伸びた。
5打点。チーム全得点をたたき出した。打点31もトップに浮上。3月30日に右太もも裏肉離れで14試合を欠場。出場22試合だから、まさに異次元のペースだ。
3安打。打率は3割7分2厘にアップ。規定打席に25打席足りないが、首位打者を2分上回る。「どうせ2割6分くらいに落ちますから」と笑うが、2冠であり“隠れ3冠”になった。
無双の成績。思考はシンプルだ。結果は追求しない。準備は完璧にする。
「準備してだめだった場合、仕方がない。野球で10割打つことは無理。あの球をいっておけばよかったとかいうのを最大限なくす。準備の完璧を求めている。結果に完璧は求めていない。結果は打ったボールしか分からないという発想」
だから凡退した時も笑顔が多い。尽くした準備の結果と割り切れるからだ。
母の日。バットやリストバンドなどピンクの特注道具を使った選手も多かった中、山川は違った。特別なものを着けなかったのも、普段の形を最優先にしたから。「申し訳ない」と前置きした上で明かす。「違うことやるのが大嫌いなんです。だからピンクのバットは使わず。僕は(素材が)ホワイトアッシュ。(渡されたのは)メープルだった。当たり感も違うので」。
今季は打ち方を1度も変えていない。5月に入って7戦6発。「どんだけ打てない時がきても、同じことを繰り返していきたい」。シーズンの中で波はあるのは分かっている。それでも今の思考、形を貫き通していく。【上田悠太】
◆規定打席 プロ野球の打撃ランキングの対象になる打席数で、試合数×3・1。36試合消化している西武は112打席で、現在87打席の山川は25打席足らないことになる。
▽西武辻監督(2本塁打5打点の山川について) いいところで本塁打が出ている。こちらとしてはうれしい。一振りで仕留められている。自信を持って打席に入っているだろうし、力まずに打てているのが一番だと思う。
▽西武平良(8回を3者三振) 三振は狙っています。いいピッチングができました。最高です。
▽西武エンス(6回を3安打無四球1失点で2勝目) プランを立てて自分の投球ができた。柘植もいいリードをしてくれて助かった。オフの間にさび付いていた肩が投げるたびに状態が上がり、力強く投げられるようになっている。
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