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和泉首相補佐官が問題なのは「不倫」よりも国家公務員幹部人事への専横ぶりだ - ダイヤモンド・オンライン

室伏謙一

[室伏政策研究室代表・政策コンサルタント]

 昭和47年静岡県生まれ。静岡聖光学院高校卒業、国際基督教大学(ICU)教養学部卒業、慶應義塾大学大学院法学研究科修了(法学修士)。

 総務省、株式会社三井物産戦略研究所、デロイトトーマツコンサルティング合同会社、みんなの党代表(当時)渡辺喜美衆議院議員政策担当秘書、外資系コンサルティング会社等を経て、政策コンサルタントとして独立、室伏政策研究室(「◯◯と政策をつなぐ研究室」)を設立し現在に至る。

 政財官での実績を生かし、国会議員、地方議員の政策アドヴァイザーや民間企業・団体向けの政策の企画・立案、対政府渉外活動の支援、政治・政策関連のメディア活動等に従事。

  • DOL特別レポート

    内外の政治や経済、産業、社会問題に及ぶ幅広いテーマを斬新な視点で分析する、取材レポートおよび識者・専門家による特別寄稿。

和泉洋人氏(左)は安倍晋三首相らとともに、「日本医療研究開発機構(AMED)」の発足式に出席し、看板の除幕も行っている(2015年4月3日撮影)
和泉洋人氏(左)は安倍晋三首相らとともに、「日本医療研究開発機構(AMED)」の発足式に出席し、看板の除幕も行っている(2015年4月3日撮影) Photo:JIJI

2月20日発売の『週刊文春』に、和泉洋人首相補佐官と大坪寛子厚生労働省官房審議官を巡る例の事案の続編の記事が掲載された。ここで見逃せない点が、和泉首相補佐官による国家公務員幹部人事に関わる専横ぶりだ。なぜそうしたことが可能となってしまうのか。元総務省官僚でもある筆者が解説する。(室伏政策研究室代表、政策コンサルタント 室伏謙一)

和泉補佐官の恫喝が
AMEDの幹部らの心胆を寒からしめた理由

 2月20日に発売された『週刊文春』に新たな「文春砲」が掲載された。和泉洋人首相補佐官と大坪寛子厚労省官房審議官を巡る例の事案の続編である。その詳細な内容については同誌をお読みいただくとして、今回問題とされているのは、和泉首相補佐官が国立研究開発法人日本医療研究開発機構(以下、「AMED」という)の理事、執行役および経営企画部長を自らの執務室に呼びつけた上、自分の言うことと、内閣官房健康・医療戦略室の大坪次長の言うことを聞いてうまくやらなければ、人事を動かす、具体的には、「所管府省からの出向ポストを他の府省に振り替えるぞ」といった類いの「恫喝(どうかつ)」をしたというもの。

 そもそも内閣総理大臣補佐官は内閣法第22条に基づき置かれた、「内閣総理大臣の命を受け、国家として戦略的に推進すべき基本的な施策その他の内閣の重要政策のうち特定のものに係る内閣総理大臣の行う企画及び立案について、内閣総理大臣を補佐する」ことを職務とする官職であり、制度上人事に関する権限はないし、明大の田中秀明教授が「文春砲」において指摘されているとおり、そもそも指揮命令権はない。

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February 25, 2020 at 02:55AM
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