【ニューヨーク=上塚真由】ウクライナの旅客機が8日にイランの首都テヘランの空港を離陸直後に墜落したことについて、カナダのトルドー首相は9日、首都オタワで記者会見し、同盟国を含む複数の情報機関の情報として、「イランから地対空ミサイルが発射され、打ち落とされたことを示す証拠がある」と述べた。一方で「意図的ではなかった可能性がある」とした。
複数の米メディアも同日、同機がイラン側の地対空ミサイルで誤って撃墜された可能性があると米当局が分析していると伝えた。一方、イランのメディアによると、イラン当局は「筋の通らない噂に過ぎない」と関与を否定した。米国とイランの対立の新たな火種となる可能性がある。
墜落事故では乗員乗客176人が犠牲となり、このうちイラン人が82人、カナダ人が63人、ウクライナ人は11人だった。イランは米軍によるイラン革命防衛隊の精鋭「コッズ部隊」のソレイマニ司令官殺害の報復措置として、8日午前1時20分(日本時間同6時50分)にイラク駐留米軍を弾道ミサイルで攻撃。旅客機は約5時間後に墜落しており、当時、イランは米軍による反撃に警戒を強めていた。
複数の米メディアによると、イランから2発の地対空ミサイルが発射されたことを米国の衛星システムが探知し、その直後に旅客機が墜落したという。米政府関係者は、旅客機が誤ってイランの防空システムの標的になったとの見方を強めているという。
トランプ大統領も9日、記者団に対し「誰かが間違いを犯した可能性がある」と述べ、墜落の可能性を示唆した。4人が犠牲となった英国のジョンソン首相も同様の認識を表明した。
これに対し、イラン政府は9日に声明を出し、「イランに対する心理戦だ」と強く反発、「事故機に搭乗していた国民の全ての国はイランに代表を派遣することができる」と述べ、カナダやウクライナなど関係国との調査協力に前向きな姿勢を示した。
また、イラン側は、事故機から回収されたブラックボックスを米国に提供しない考えを示しているが、航空機メーカーの米ボーイング社についても「調査にかかわる要員を派遣するよう要請する」とした。
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January 10, 2020 at 08:13AM
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ウクライナ機墜落 カナダ首相「イランが撃墜」 イラン否定 誤射の可能性も - 産経ニュース
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